まきまきのボヤき

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胃カメラでピノキオの気持ちが分かった話【初胃カメラ体験記】

『じゃ、胃カメラやってみよっか?』


6月下旬ごろ、これまでまったく感じた事のなかった胃の不快感と痛みを急に感じるようになりました。元々、野菜は好んで食べないし、男なら黙って肉と米を食え!と、間違えて記憶された範馬勇次郎名言集みたいなことばかり言っていたり、1年間朝ごはんゆで卵生活をしてみたりと、かなり偏食気味な食生活を送っていた僕ですが、これといった身体の不調を感じたことはほとんどなく、強いて言えば、アラフォーも目前に迫ってきたなりに油物をあまり受けつけなくなったり、晩御飯にお腹いっぱい食べると翌朝はあまり食欲がない程度のことはありましたが、それでもそれなりに健康な身体で、運動もしてるし、平均体重は保ってるし、唯一の難点といえば滑舌が悪めなくらいのものでした。そんなある日、食後に決まって、なんとなくお腹の張り感?胃もたれ感?のようなものを感じるようになってきたのですが、そもそも胃もたれや胸やけというものを経験したことのない僕は、なんとなく相談した知り合いに「胃もたれじゃない?」「胸やけじゃない?」「顔長くない?」と言われても、いまいちピンときていませんでしたが、顔が長いと言われている事だけは理解したので、そいつは江の島の砂浜に埋めておきました。それはさておき、その後も痛み?不快感?のようなものは続き、それも決まって食後、量や内容関係なく、ちょっとでも胃に食べ物を入れるとこの症状が出てくることが分かってきました。食べ物が入ると痛むなら他の物入れたら痛くないんじゃない?家電とか入れてみたら?と思う方もいるかもしれませんが、あなたは胃に家電を入れたことがありますか?そのトンチキ発想を少しでも地球温暖化防止のために使おうとは思いませんか?すみません話が逸れました。とにかく、食後にお腹が痛むのは分かったので、とりあえず病院に行こうと思い、近所の町医者にかかったのですが、いくら医者が診断しようにも、『どんな風に痛む?』と聞いたのに「痛いというかなんか張ってるというか・・・」などと優柔不断なカレシみたいなことをぬかしたり、『胸やけっぽい感じ?』と聞いたら「胸やけってなんですか?どんな感じ?」と質問に質問を返してくるめんどい患者を前にして、(これ埒あかねーな・・・)と思うのも不思議ではありません。とりあえずその場では、一般的な胃薬の処方と、それから冒頭の言葉がでてきたわけです。

胃カメラ、職場の健康診断で毎年うけることができますよと案内がくるのでその存在やなんとなくのイメージを知っていたんですけど、「胃カメラとかオッサンがするもんだろwwwwwwww」と自分がオッサンなのを差し置いて今までうけようという考えが毛頭無かったその胃カメラが、「なんかムカデ人間みたいだよなコレwwwwww」とかいって蔑んでいたその胃カメラが、今自分の胃に降りかかっている謎の症状を解決する手掛かりの糸口になりそうというこの状況下になって初めて分かったんだ・・・、僕は胃カメラの偉大さ、ありがたさ、尊さを何も知らなかった大馬鹿野郎だった・・・・。僕のこの人生の物語は間違いなく、ビフォー胃カメラとアフター胃カメラの二部構成に分けられるだろうし、もし今後、胃カメラの事を馬鹿にするやつがいたら俺がぜってーー許さねえ。もしそんなこと言う奴がいたら、そいつの鼻から胃カメラ突っ込んで口から外に出して蝶々結びして「これがメビウスの輪ですか」って言って写真撮ってブレイキングダウンに応募してやるからな。覚悟しとけよ。胃カメラをすることでこの胃の痛みから解放されるなら、やってやるよ。俺も漢だ。今なら男塾名物、灼熱の油風呂にだって、ナイトプールみたいに泳いで貝の浮き輪に乗ってキメ顔で自撮りしてやる。胃カメラは人類を救う、God Save The 胃カメラ・・・。もう胃カメラなんて呼ばないよ、お前は今日から、【胃キャメラ】だ・・・。

僕「・・・・薬でなんとかなりませんか???」

はっ??????な、な、な、何言ってやがるこの口は・・・。今更胃キャメラにビビッて、、、薬を飲んで、なんとなくやり過ごそうとしてやがるだと・・・!??ありえねえ、、さっきまでの覚悟はどこいった??ナイトプールの覚悟は、、、?あんなところで貝に乗って自撮りしてインスタ上げてる勘違い女子は、全員5年後くらいに自分で見返して、顔から油吹くほど恥ずかしい思いをするのが目に浮かびますわ・・・。「私もこの頃は勢いあったなー、いまじゃもうオバサンだもんw」とか言ってそれでもまだ若いつもりでちょっと派手目な水着とか着て海やプールに来てください。下心とか全然ないんでマジでお願いします。

『一度、検査しとけば安心だからさ』

そんなことを医者に言われて、また今までやったことがないというのもあってどんな感じか興味がわいてきた僕は、胃カメラ検査をすることに決めたんですけど、さて胃カメラをいつやりましょうかって話になった時、医者がこう切り出してきた。

『予約とれるのが、最短で3週間後だねー』

さ、、、さんしゅうかんご・・・??3週間後とか僕の胃どころか、今この瞬間に宇宙から地球外生命体が侵略してきて地球が滅亡するにも十分すぎる期間なんですが??見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)でも9日で世界を掌握してしまうんだぞ???それを3週間後って、その間に胃が悪化してたらどうするんですか??海外の世界滅亡系ゾンビ映画でももうちょっと短く世界の終末を描くぞ・・・。バイオハザードシリーズは結構長めに世界続いてるみたいですけど。そんなことを考えながら、しょうがない、他に打つワクチン、打つ手のない僕は3週間後の胃カメラ検査を予約して気休め程度の胃薬も貰ったんですけど、まあ、それでもやっぱり痛いものは痛いんですよ。痛みの強さ自体は和らいでる気がするんですけど、もうこの頃にはやっぱり検査しないとダメなんだろうなって気にどんどんなってきていました。

迎えた胃カメラ当日、朝の8時半に受付して診察してからのさあ胃カメラって流れでやることになったんですけど、前日の夜19時にはご飯済ませて朝ごはんは食べずに来てくださいってことだったんですけど、今なら白状できるんですけど、前日の夜20時に晩御飯食べちゃってました☆ごめんちゃい☆そんなこんなで診察して、鼻と口のどっちがいいですか?って聞かれたから「お任せします」、『じゃあ鼻からで準備するんで少しお待ちくださいー』と言われたので一旦診察室を出て、待合室でガタガタ震えながら待っていると『まきまきさん、どうぞー』とやけに軽い声。おもむろに検査室に入ると看護師さんから『これ飲んで下さい』とコップ1杯の謎の液体を渡されました。(あっこれ見たことある!ウ〇チが白くなるやつだ!スゲー!)って思ってテンション上がってたんですが、それはバリウムのことで、実際は胃の中の泡を消す薬でした。謎の液体の味は、神の舌を持つといわれる僕なりに難しく言うと、”のど越しの超悪い不気味に甘くてマズイやつ”って感じで僕は一気に飲んだんですけど、別にゆっくりテイスティングしながら飲んでもいいらしいです。絶対オススメしませんが。それを飲んだ後、仰向けに寝かされて鼻のなかにスポイトらしきもので液体を入れられるんですよ。この時はまだ心の余裕があって看護師さんの説明をしっかり聞けていたんで覚えてるんですけど、これは鼻の奥に痛くないように表面麻酔を塗る行為らしいです。ただ、まだ鼻に液体を入れられただけなのに、なんとも言えない鼻の不快感に襲われ、だけど、涙が出ちゃう。アラフォーだもん。と言わんばかりにこの時点ですでに大量の涙と鼻水をダラダラ垂れ流し始めてたんですけど、看護師さんも手慣れた様子で優しく鼻を拭いてくれて、なんだか初めて人の優しさと温かさに触れた、狼に育てられた少年みたいな感動を覚えました。映画化決定。さて、いよいよこれからが本番。横向きにさせられて待機すること数秒、ついに医者が満を持しての降臨。『説明しながらやっていきますけど、とりあえずチカラを抜いてラクにしてくださいね。全然大丈夫な人も7割くらいいるし、鼻の方がラクだからね。』と優しく声をかけてくれて、人って優しいなあ、僕も来世では人に優しくできる人になれるといいなあとか考えながら、でも残りの3割はメチャクチャしんどいんじゃねーかとツッコミそうになるのを我慢して、横向きでリラックスを心がけていたなかで、ついにその時がやってきました。

『じゃ、始めますね』

音もなく鼻から管が入って食道を通る感覚。そのあまりの衝撃に僕は思わず涙を流し、白タオルをリングに投げそうになりました。管が鼻の奥から喉を経由し、体内に侵入してくる。身体の中に明らかな異物がグイグイ入ってくるのが良く分かる。医者が『今このへんが胃の入り口ですねー、入っていきますよー』としっかり説明してくれているのだが、そんな丁寧な説明も耳に入らないほどの不快感。息を吸っていいのか、どこから吸っていいのか、口か鼻かエラ呼吸か、ゴックンはしていいのか、身体は動かしていいのか、この管を引き抜いたらヤバい気がするなどなど、とにかく医者は説明しながらグイグイ入り込んでくるんですけど、本当に覚えてない。マジ必死。自分的には「あ、意外と大丈夫ですー」とか余裕ぶって言いたかったんですけど、実際には「hkjふぃdjろgじゅいr」みたいなこと言ってました。辛うじて、どっかの内臓の小さい入り口の前に胃カメラを待機させ、じゃあこれからこの中に入れて見ていきますねーといった次の瞬間、正確無比に入口穴にカメラを移動させ突き進んでいくそのスーパー高等テクニックを見て、魔界城ドラキュラシリーズのTAS動画みたいだなとか思ったくらいで、他にはもう何も覚えてない。しかもその時気付いたのが、この胃カメラ、何分くらいやるものかを事前にまったく聞いていなかったこと。この事実に気付いたときの絶望たるや、19時に炊けるよう設定したのになかなかご飯炊けないなと思って炊飯器の予約時間見たら朝の7時に設定されていて、しかもおかずは全部作り終えていた時の絶望感以上の絶望感。この苦しみがいつまで続くのか、このまま30分も続けたら間違いなく頭がどうにかなってしまう・・・。あっという間に胃に入り込んだ胃カメラは、まるで鍾乳洞の中に広がる湖のように胃液が満ちた胃を映し出し、その様子はまさに地獄池。キノピオとゼペットじいさんがクジラに飲み込まれた時に見た光景はこんな感じだったのかなと思うと、二人がいかに嘆き、悲しみ、この世の終わりを垣間見たような気持ちだったことだろうと同情する。僕はこれからピノキオを見るたびに、このしんどかった胃カメラのことを思い出すのだろう。それから、そういえば前にエステを受けたとき、顔面をタオルで覆われている自分を撮影するようにエステティシャンさんにお願いしたことがあったなあ、今のこの鼻から胃カメラ差し込んでる様子もスマホで撮ってもらおうかなあ・・。そんなことを思いながら、もういっそこのまま気絶してしまおうかと思い始めたその時、『じゃ、終わりますねー』。神が、いた。

引き抜くときはほんの一瞬の出来事で、まだ鼻の麻酔が効いてるため変な違和感があるのと、鼻から流れてくる液体が鼻水と麻酔の混じり合ったものであるため、鼻はかまないようにして流れてくる液体を拭き取るようにしてくださいということと、1時間くらいは何も飲食しないで、1時間後に水を飲んでむせたりしないで平気だったらもう飲食して大丈夫ですとの説明をうけ、僕の胃カメラは終わった。なんか、胃の中の組織を一部採取してるので、胃カメラ後は辛いものや脂っこいものは控えて下さいって言われて、お腹もすいてたし本当はカレーとか食べたかったんですけどおにぎりくらいにしておいて、それでも胃カメラした後もなんとなく違和感みたいなのは残っていて、お腹が張ってるような感覚はありましたね。ただ胃カメラで中を見ただけなんで治療も何もしてないから当たり前っちゃ当たり前なんですけど、それでも僕としては人生の一大イベントを終えた充足感と、これで何も異常なくて、単なるストレス性によるものだねって言われたら、そんなんどう治したらいいんだ?えっ?30年くらい毎月1000万円ずつ自動で貰えて好きなことやっていいよってならない限りストレスなんて無くなりませんけど?って言いたいところです。検査結果はまだ聞いてないんですけど。とりあえず、僕から胃カメラ未経験の皆さんに言えることは、苦しいし吐き気するとか言われてますけど、実際はあんまりキツくないですよ!とか言っちゃうと鼻がどんどん伸びてきそうなんで、やっぱり多少はツラいけど思ってるほどきつくはないし5分くらいで終わるからできるならやっておいたほうがいいよってことです。あと自分で病院行ってやると6000円くらいかかります。もしこれから胃カメラをやる、もしくはやってみようかなって方々の参考になれば幸いです。

みんな、健康に過ごそうぜ!
おわり